この基礎技術は1970年代のローテクで既に実現されている。
ホセ・デルガードと言う脳科学者が、脳に取り付けた無線電極装置「スティモシーバー」で動物の行動を制御する事に成功した。
そしてその成果は闘牛実験-闘牛の攻撃行動を抑制するという方法でセンセーショナルに宣伝された。
非常に有望で、先見性のある技術であったにも関わらずロボトミーや、洗脳など負のイメージが付きまとう先行事例があったことや、時代の倫理観から
悪の技術として歴史から抹消されてしまった。
しかしホセ・デルガード思想は決して間違っていない。彼がやったことは全く悪ではないし、寧ろ感情の制御、行動の制御がより必要とされているのに、
その方法論が全く確立されていない現代にこそ必要な技術なのである。
重大事件が起きるたび、「全く理解できない」「決して許されない」「どんな事情があろうと」「動機の解明が」などと何の約にも立たないコメントを
論者が残すが、動機の解明や罰則、批判など事件の抑止にはまったくもって無意味である。
身近な人間の考えすらろくに分かりもしないのに、まして事件を起こすような人間の考えなど知れるはずもないし、
また知ったところでどうしようもない事である。
法治が浸透した現代において起こる犯罪、事件とは明らかに、法の守備範囲外であり、個人の倫理観に任せる正義の限界でもある。
デルガードはこの様な言葉を残している
「冷酷でない、より幸せでより良い人間を作る。それは、精神的に文明化された社会だ」
我々が現在使っている科学技術はただ便利なだけで、精神に対しては緩やかに汚染していくような作用のものしか無い。
能動的、直接的に精神のコントロールが出来る技術こそが真に必要な技術なのである。
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