近ごろ若者や腐女子の間で大人気だという「鬼滅の刃」を、
知らずに批判するのもアレだし、一応俺も好きなチャンバラ劇だし
ということで漫画版で読んでみた。
これは確かに、女子供にはウケると思う。
キャラがみんな可愛くて、激情的な性格でアクション描写も過激。
少年ジャンプの新たな顔になるだけのエンターテイメント性が確かにあると思う。
一方で、剣術描写や鍛錬描写や刀剣の描き方はやはり拙い。
その辺の知識がない人間が見ればいかにも迫真じみてるだろうが、
付け焼き刃な知識をフィクションの外連味で誤魔化している所だらけ。
だいたい、漫画としての対象年齢では
鬼滅の刃<バガボンド≒シグルイ<鬼平犯科帳<柳生連也武芸帖
って所だろうが、剣術描写などの迫真度でもこの順序。
そして、この中で最も主人公が並み居る強敵をバッタバッタと
容赦なく斬り伏せているのが実は、作者も剣術家である柳生連也武芸帖。
本物の剣術のほうが初見相手には必勝となる秘技の宝庫だから、
幻想のフィクション以上に徹底的な勝ち抜き描写の材料にできる。
若者でも面白がれるような文化のほうが扇情的で安易に楽しめるが、
そのぶん内実が拙く、故に徹底的でもない。そこがやはり劣るところだ。
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