意味がわかると怖い話

もう１５年以上も前の話。

久しぶりに高校の同窓会で、神戸の大学に行ってた友人と会ったんだわ。
「いまどこで何してんだ？」ってオレが聞いたらさ、
「まだ新聞配達の寮に住み込んで配達しながら学生やってる」って奴は言うんだ。

「震災後で色々あったし就職先も決まらず院に行ったのかー」って言ったんだけど、
図星だったのか、さすがにそこは笑って誤魔化すしかなかったんだろうな、
「配達のバイトも順調だし気にしてないさ」って暗い顔して笑ってさ、
逆に気を使わせちまった。

オレは「そういえば、あの大震災の時は新聞配達してて助かったんだよな」
なんてラッキーな話に方向を持っていってたんだけど、

「やっぱり不況もあるし、どこの新聞も購読者が減って大変みたいだ。
でもうちの配達する新聞だけは、震災後も変わらずに
どこの家もずーっと新聞を受け取ってくれててさ、
そんなもんで、奴の配達所だけはずーっと潰れることもなく、
当時の配達仲間もそのまま仕事を続けられてる」
なんて景気のいい話をするんだ。

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