あるところに若いトラック運転手の男がいました。
男はよく働き、仕事が夜になることも多かったのでした。
会社に戻った日、男は同僚から奇妙な噂話を聞きました。
その話の内容はこういったものでした。
「○○県に向かう峠を夜に通ると、女の子の幽霊がでるそうだ。その女の子の霊は助手席に現れ、運転手に問題をかけてくる。答えられなければ運転手は殺される。問題はついつい間違えてしまうようなものを出してくる。友人の友人に聞いた」
といったものでした。
男は同僚の話を単なる都市伝説の類だと馬鹿にして、この話を信じようとしませんでした。
何日かして、男に○○県に向かう仕事が回って来ました。
しかも、他の仕事もこなさなければならない為、向かう時間はどうしても夜になりそうでした。
案の定、○○県へ向かうのは夜になってしまい、男は例の峠に差し掛かっていました。
しばらく走っていると、男は突然全身に鳥肌が立ってしまいました。
前の道を見ていた視界の中に異常なものが見えてしまったからです。
自分の隣、つまり助手席に女の子が座っている……! しかもこちらをじーっと見つめている!
男は恐怖にかられ助手席を見ることができませんでした。
すると、「ねぇ……」という小さな声が男の耳に聞こえてきました。
男はもう泣きそうになりながら「な……何?」と答えました。
「遊んでくれる?」
と女の子は聞いてきます。怖い……! 怖い!
男は言われるがままについ、「い、い、いいよ」と答えてしまいました。
女の子はクスクスと笑うと「じゃあ、なぞなぞね? 間違えたらだめだよ?」と言いました。
男は、しまった! と思ったのですが時既に遅かったのでした。
「りんごとバナナとスイカを載せたトラックが、ある山道を走っていました。やがてカーブに差し掛かりました。さて、何を落としてしまったでしょうか?」
男は振るえながらも内心助かったと思いました。なぜならこの問題を聞いた男は「ス、スピード!」と答えましたが、女の子はこう言いました。
「ふふ、残念ハズレでーす。正解はねえ
“いのち”だよ……」
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