谷川岳宙吊り遺体収容

>>6
ビバークでは疲労は完全に回復しない。加えて高山病にやられると幻覚・幻聴に悩まされる。
(谷川岳くらいの標高ではそれはないと思われ)

某有名登山家が厳冬期の高山でビバークしていると、はるか下方から人の声が木霊してきた。
おかしい。その声は自分の名を呼んでいる。しかも聞き覚えがある声。
それは以前、一緒にパーティを組み、いくつもの山を登り下りした相棒の声だ。
その彼は、数年前、滑落して死んだはず……しかも胴体が断裂するほどの、痛ましい姿となって故人と対面したのだ。

登山家はテントから外へ出た。
月明かりのもと、山の斜面を、死んだはずの相棒がよじ登ってくる姿が見えた。
そいつは、しきりに登山家の名を呼んでいる。今、迎えに行くぞ、と。
さらに目を凝らした。そして次の瞬間、うめいた。
山の斜面を這いつくばっているのは下半身のない相棒だった。
内臓を引きずり、腕だけでよじ登ってくるのだ。
登山家は絶叫し、その声で夢から目覚めた……

こういう悪夢とか、実際の幻覚・幻聴の類は山男の間では枚挙に暇がない。
片山右京も妙な話を語ってたっけ。

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