銀河の間を縦横無尽に飛び回るワープドライブ航法はもはやSF映画の中だけの話ではなくなってきた。どうやらNASAは、いつの日か人類が光を超える速さで移動するための革新的な航行を密かに実験しているようなのだ。
科学者によれば、新航法「EMDrive」を使えば月までたったの4時間足らずで到着するという。現在の技術では1万年かかるケンタウルス座アルファ星でさえ、わずか100年で行けるのだ。
このシステムはEM(electromagnetic)駆動という電磁駆動に基づいたもので、ロケット燃料を使わないで、電気エネルギーを推進力に変換するというもの。 これまでは古典物理学で、運動量保存の法則に反するため不可能とされてきた。同法則は、ある系に外部から力が加わらない限りは、その系の運動量は不変だとするものだ。これは従来のロケットが推進剤を必要とする理由でもある。
ところが、アメリカ、イギリス、中国の科学者は過去十数年でEM駆動を実証しているらしい。この結果は運動量保存の法則に矛盾することから、その原理について明確な説明はなされていない。
NASAの技術者であるという人物がNasaSpaceFlight.comで語った内容によれば、今回、NASAが開発したEM駆動は宇宙でも機能するものらしい。EM駆動のコンセプトは比較的シンプルなものだ。すなわち、密閉された容器の中でマイクロ波を反射させ、宇宙船に推進力を与えるのだ。
マイクロ波の電力は太陽エネルギーによって供給するため、推進剤は必要ない。その意味合いは大きい。例えば、燃料を積む必要がないため、現在の人工衛星のサイズを半分にまで小さくできる。さらに、自力で推進力を発生させるため、航行距離も伸びる。
2000年にロジャー・ソーヤー氏がこのコンセプトを考案したとき、真剣に受け止めたのは中国の研究チームしかなかった。2009年、同チームは720ミリニュートン(72g)の推進力を発生させることに成功したと発表した。これは人工衛星の推進器を開発するには十分なものだ。だが、この時点でもこの発表を信じた者はいなかった。
しかし、昨年、ペンシルベニアに拠点を置く科学者グイド・フェッタ氏と彼が率いるNASAイーグルワークスの研究チームが、同原理に基づくエンジンを実証したという論文を発表した。今のところ、カンナエ駆動と呼ばれるこのモデルは、30〜50マイクロニュートンと、現在の低出力イオンエンジンの数千分の1でしかないかなり小さな推進力しか生み出さない。
NasaSpaceFlight.comでコメントした、この計画に参加したという人物によれば、従来のEM駆動モデルが批判されていた理由は、これが真空において実験されたことがなかったからである。物理学では、量子真空内の粒子はイオン化できないとしている。したがって、これを押すことはできない。しかし、NASAによる最新の実験では、これに反する結果が出たらしい。
「NASAは完全な真空状態でのEM駆動の実験に成功した。この成功は、あらゆる組織に先立つものだ」と、その研究者は投稿した。こうした議論によれば、この目標を達成するために、推力測定は熱対流によるとするこれまでの仮定をNASAイーグルワークスは放棄したらしい
NASAの公式サイトでは、「EM Driveはまだ研究の初期の段階であり、理論の解明などさらなる検証が必要となる。実現すれば月まで4時間、火星には約70日で行けるようになり、太陽系から4.3光年離れたアルファ・ケンタウリ系へのミッションも夢ではないが、まだまだ先の話だろう」。とコメントを出している。
tp://karapaia.livedoor.biz/archives/52191379.html
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