確かに、迷信の中にも昔の人の経験則に基づく優れた生活の知恵が隠れていることがある。
たとえば、「表鬼門」である北東の方角と「裏鬼門」である南西の方角が忌み嫌われている理由には諸説あるが、一説によると、
古代中国の都には北東の方角から度々騎馬民族が攻めてきて、また、南西からは強風が吹き荒れ、多大な被害が出ていたとのこと。
つまり、「鬼門」は外敵や災害を意味しており、その方角に玄関などの開口部を作らないようにするのは理に適っていたらしい。
また「鬼門にトイレや台所などの水まわりを作ってはいけない」というのも、北東は日当たりが悪く寒くてジメジメとして、
湿気も溜まりやすい環境だし、南西は西日が照りつけ、夏の午後は蒸し暑くなるので、冷蔵庫など無かった時代では食品が腐ったり、
トイレも現在のように水洗ではないので、蒸れて病原菌を発生させ、それらが元で病気になって命を落とすこともあったと考えられる。
しかし、現代においては、冷蔵庫や水洗便所といった文明の利器の登場のお陰で、そのような心配をする必要はほぼ無くなった。
むしろ、家相・風水を気にしてトイレや台所を配置した結果、動線的に住み難い家になってしまったりして、ストレスの多い生活を
送ることになっては本末転倒だ。
ちょっと面倒くさいかもしれないが、今では、これまた文明の利器であるインターネットで簡単に調べられるので、
各迷信のルーツを調べて、現代でも気にした方が良いものなのか、それとも無視すべきものなのか見極めることが重要だね。
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