あのころは磯が叱った

若い頃、漁業の仕事に明け暮れる毎日で、目が回るほど忙しかった。
働いて食って働いて寝て起きてまた働く！
遊びたい盛でもあり、ぶつぶつ文句を垂れながら働いた。
人に使われる身で忙しすぎるのに腹を立てサボってやろうと、
磯に足を向けて岩陰に座ってぼんやりしていた。
ふと我に返ると「おい、こら、若いくせにサボらず働け！」と、
オレを磯が叱った。ホントに磯に叱られたように感じたのだ。
今では漁業組合長だが、若い頃にはそんなこともあった。

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