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今月号の月刊武道で、GHQに禁止された剣道が復興した経緯も詳しく書かれていたが、 
 剣道が解禁されるための最大最優先の制約となったのが、
>>63にも書いた「組み技」の禁止である。   
 剣技からの組み技こそは、旧日本軍的な粗暴さを最も想起させるものであるため、 
 これだけはGHQも復活を許可しなかったという。しかし、この動画などを見てほしい。   
 國井善弥氏も宗家を務めていた鹿島神流の組み伏せ剣法などに限れば、少しも乱暴な所などはない。 
 人間の身体構造の力学的な合理性を神髄まで究め尽くした、芸術的とすらいえる技法になっている。   
 思うに、元武士の剣道家が絶えた1920年代以降、まともに柔術の受け身も習っていないような 
 剣道家が飛び込み打ちを試みたり、それに対して組み技のカウンターをかけたりすることが 
 頻繁化し始めたものだから、組み技が相手を後頭部強打による脳挫傷や、体の強打による 
 半身不随化にも追いやりかねない、危険で命知らずな行為になってしまったのだろう。   
 そこで組み技ではなく、組み技が致命傷を招きかねない飛び込み打ちのほうを昔のように 
 禁じ手にすれば良かったものを、あろうことか武芸の精髄でもある組み技のほうを禁止するに至った。   
 大日本武徳会を解散させながら電通は解散させなかったこと等とも並ぶ、GHQの大いなる過ち。   
 戦前の日本にも、人間のクズばかりが権力を握っていたせいで、負けるべくして負ける落ち度が 
 決してなかったわけではないのだが、だからといって戦後のアメリカの政策が何もかも正しかった 
 なんてことももちろんないわけで、その過ちこそを清算せねばならない時期にもなっているのである。
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