中国が、なぜかくも断絶続きの王朝史を繰り返して来たのかって、
あれほどにも広大な国土をトップダウンな中央集権や単一の
価値観によって統治支配する無理を繰り返して来たから。
今の中国を見ても分かる通り、支配者側は一貫して徹底的に強権的である一方、
被支配者である民衆側もしたたかで、表向きは従っているフリをするものの、
常にどうやって裏をかいてやろうかと考えている「上に政策あれば下に対策あり」の状態でいる。
中央政権は、国の面子や自分たちの立場を守ることにばかり躍起でいて、
ろくに市民の実情なんかに目もくれない。そもそも、支配対象である人民社会が
あまりにも大規模であり過ぎるために、その内実の詳細な把握などがまず不可能である。
だからといって大味な政策を押し付けるものだから、民の側としても対策を立てずにはいられない。
いくら対策を心がけても、中央と現場の乖離を埋め合わせ切ることはできず、
ついには破綻を招いて革命が起こり、皇帝ごとすげ替えられる反正の時が来たる。
中央と地方の乖離をあらかじめ想定して、地方政権の強大化を認める代わりに、方々での
懇切丁寧な統治を心がけさせることで万世一系の朝廷をも保ち続けていた昔の日本にとっては、
あくまで「対岸の火事」な他人事に過ぎなかったのだが、今ではさにあらず。
中央官僚やマスコミが大事なことはなにもかも取り仕切り、単一の政策や価値観で
全国全土を染め上げようとするような真似をし続けているのだから、中国と比べれば
社会規模の小さい日本といえども、じきに断代級の破綻を来たすことになるのが必至である。
その時に、玉を道連れにするような真似だけはしないでもらいたいものだがな。
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