『サイキック・マフィア : われわれ霊能者はいかにしてイカサマを行ない、大金を稼ぎ、客をレイプしていたか』
( M・ラマー・キーン著 ; 村上和久訳)
改心した元スター霊能者が、自らの過去を懺悔し、心霊業界の暗部を洗いざらいぶちまけた内部告発の書。
世界各国をカバーし、客=カモの情報を交換しあう心霊マフィア・ネットワークの存在を明かすとともに、
霊能者が使うトリック、客についての情報を探るための盗聴工作、儀式と称して女性客をレイプする
霊能者たちの極道ぶりまで、破廉恥きわまりない業界の実態を克明に描く。
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改心してイカサマと決別することを選んだラマーは、相棒だったラウールと対立。
「教会の心霊儀式を廃し、ごく普通のまっとうな教会にしよう」と提案したが、
「それではたいした儲けにならない」と一蹴されてしまう。
そして対決の日はやってきた。
上位の信者を集めた会合の席で、ラマーはこれまでのイカサマを暴露した。
カードの透視も、霊視能力も、物質化現象も、物品引き寄せも、自動書記も、霊が鳴らすというトランペットも。
これまで見せてきたことの全てがイカサマ、嘘、トリックだったと告白した。
ラウールはそれらに対する的確な反論ができず、苦渋の表情でそれを認めざるをえなかった。
そしてラマーはこの状態を正してまっとうな(心霊主義を廃してごく普通の)教会にするか、
そうでないのなら自分はこの教会から去ると宣言した。
そのやりとりを聞いていた信者たちは、信じられないといった表情でしばし呆然としていたが…
しかしある女性信者が言った。
「私はあなた(ラマー)の意見に賛成です。悪いことは正さないといけません。
私たちの霊もそう教えてくれましたからね」
たった今!
「これまで見せてきた霊能力は1つ残らず全てデッチ上げ!
僕らは霊の言葉を伝えるフリをしてアンタ達をずっとカモってきましたっ。
霊の存在自体がぜ~~~んぶ嘘なんです」
…という告白を聞いたところだというのに、まだ霊の言葉を根拠に意思決定するだって!!?
彼らの頭の中はいったいどうなっているのか!?
この時のメンバーの一人である資産家のジョージは、ラウールに直接「君は私を騙していたのか?」と問いかけ、
本人が「イエス」と答えたのにもかかわらず、その後もラウールと彼の見せるスピリチュアルを信じ続けている。
ラマーはこれを「狂信者症候群(true believer syndrome)」と呼んだ。
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