「もう好きなようにしていいよ。あのねぇ、俺はねぇ、作りたい人に作品を任せるのが、
その作品にとって幸せだと思うんだなぁ……。美奈子も俺が幸せにしてやったんだ」って、
ここからなぜか、本田美奈子の話が始まってしまうんです。
本田美奈子という女優に惚れ込んで、彼女の為に主演映画を撮ってやって、
彼女がロックをやりたいと言うからバンドを作ってやりロック歌手として育ててやって、
そして本田美奈子はロック歌手として女優として成長していく、という話を熱く語りだして1時間。
本田美奈子が自分の下から旅立っていったイコール振られたというところまで、止まらないわけです。
庵野君は「『ヤマト』の話は……?」
僕は「二千万の話は……?」
と思ってるんですけど、口をはさめない。本田美奈子の話を散々聞いたあとで、
「『ヤマト』も君たちの好きにしてくれていいんだよ。庵野秀明という人間が、この作品で『ヤマト』を立派に作り上げてくれたら、
俺はそれ以上なんにも望まない。なんにも要求しないんだ。俺にはなんにも残らなくていいんだ。美奈子のときもそうだった」
西崎さんが「本田美奈子」って言ったのは最初の一回だけで、その後ずっと「美奈子」です。
自分の彼女の話をするんだったらするで、最初から「美奈子」と言えばいいのに、みなさんも知っているあの大スターの本田美奈子だよ、
と言いたいために一回目に「本田美奈子」という宣言があるんです。
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