ちなみに当時、海外ではすでに股下の短い半ズボンが普通だったようだ。
1958年の朝日新聞の記事に、イタリア帰りの服飾研究者の話が書かれていた。
“(ローマの)男の子の半ズボンはみんな短く、きりっとしていて、
日本のようにひざまであるような丈のものは全然はかしていません。
きいてみると、男の子は長ズボンをはかせるまでに、足の皮膚を丈夫にするためだということです”
こうして、デザインの新しさやかわいらしさなどから、丈が極めて短い半ズボンは、
ファッション感度の高い家庭で買われるようになり、のちに多くの家庭に浸透していった。
学校でも体を強くするなどの目的から、制服や体操着で採用され、半ズボンといえば
丈が短いイメージが定着したようだ。
そして約30年後、股下の長さはまたひざ丈に戻り始める。
きっかけは1980年代後半のバブル期、日本に上陸したDCブランドが子供服で発表した、
股下の長い半ズボンとされる。
やっぱりまずは、ファッション感度の高い親の間で広まった。
決定打は、Jリーグブームや、スラムダンクによるバスケットボールブーム、
さらに子どものトランクス派の増加、ハーフパンツの大量販売など。
1993年あたりに一気に、全国の子どもの半ズボンが、股下の長いものに変わっていった。
というか戻っていった。
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