共通する点は、肉体からの精神的な離脱や満足感があること、長く暗いトンネルの中をすばやく移動して、
明るい光の中に入る感覚があることなどです。
専門家は、臨死体験には2つのタイプがあると指摘します。
1つは、脳の左半球が関与するもので、時間感覚の変化や飛行しているような印象を受けるのが特徴です。
2つ目は、脳の右半球が関与するもので、霊を見たり、霊と交信したり、声や音が聞こえたりするのが特徴です。
臨死体験にさまざまな種類がある理由はずっと不明でしたが、今回のように、
脳が生の最期の瞬間に一種のオーバードライブ状態になることがそれを物語っていると考えられます。
ただし今回の例は、死の前後の脳活動をモニターした最初にして唯一のケースであるため、
結論を急ぐことはできません。
男性患者は傷害を負い、発作を起こし、脳に腫れも見られたため、すべての人に一般化することは不可能です。
それでもこの知見は、私たちが人生最後の瞬間を幸福な想い出に包まれながら過ごせる可能性を示唆しています。
研究主任で神経科医のアジマル・ゼンマー(Ajmal Zemmar)氏は、こう述べています。
「神経外科医として、私はときに喪失感と向き合います。
取り乱した家族に愛する人の死を伝えるのは、如何ともしがたい辛さがあります。
この研究から学べることは、愛する人が目を閉じ、私たちの元を去ろうとしているそのとき、
彼らの脳は人生で経験した最も素晴らしい瞬間を再生しているかもしれない、ということです」
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