>>28 それは分かるよ。むしろ傾注させるべきはそうした所見だろう。
日本側の増加試作機が630kmを出した、推力式単排気管をくっつければなんと
15kphアップだ、だから疾風は645kphを出せる、という論法は、個体ごとの
情況や、前線における運用をまったく無視した考え方だから、疾風全般を言い表すに
相応しくないかも知れない。
また、「疾風は実は680km出せることもあった」ということが判明したとしても、
軍が作戦で運用するに当たっては、疾風も紫電改も、誉発動機を積んだ軍用機は
運転制限がかけられた。それが日本の工業力の限界だったのだろうし、物量以外に
欧米列強に勝てなかった要因である事実を覆せるわけじゃない。
戦に勝つには、総力戦を戦い抜ける総体としての軍事力、またロジスティクスだろう。
ただ、運転制限にせよ、戦闘時の全力正規出力分を確保するための手段とも言えるし、
整備上のトラブルは整備教育の不手際や人的資源にもよるし、未舗装滑走路での
長時間誘導運転や、機体の罪でないトラブル要因も多そうだ。軍の性能要求680kphにも
関わらず、審査時の624kphは不思議と叩かれた記述は無い。過大評価も禁物だが、
過小評価も望ましくない。判官贔屓もあるんで、そのバランスは難しいんだけどな。
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