>>264 「日本が艦隊決戦が幻想だと気づいていた」といえば、それには
否と答えるしかない。
端的に言えば、真珠湾攻撃は暫減邀撃作戦の域を脱していない。
結局のところ日本海軍が空母について後世に残したのは、不十分
な装備と未熟な戦術は空母を無駄に失う、ということしかないよ。
また、よく比較されるタラントの場合とは状況も根本の考え方も違
いすぎる。
(英海軍は地中海における船団護衛を一義として考えていた。タラ
ント空襲は、伊海軍の船団襲撃を防ぐ為のモノで、暫減邀撃を企図
したものではない。)
日本海軍が艦隊決戦を捨てる切欠となったのはミッドウェー海戦
だろう。まあ・・・この時点ではもう遅すぎるが。
(前線での船舶喪失が鰻上りになるのは、この直後から。)
おまけに空母艦載機の搭乗員養成失敗、船団護衛に関する無理解、
対潜装備の欠如、米潜水艦による軍艦・船舶を問わぬ攻撃、戦略
物資の欠乏とマイナス要素が重なりすぎている。
一方のアメリカはといえば、これも艦隊決戦から完全に脱却でき
なかった。終戦間際まで戦艦はボンボン建造しているし艦隊型駆逐
艦、砲撃重視の巡洋艦、はては夜間水上戦闘にそなえて装甲巡洋艦
まで造っている始末だ。
それと平行して正規空母まで量産しているのはさすがにアメリカの
巨大な生産力を如実に示しているが、アメリカも結局艦隊決戦とい
う幻想から逃れる事は出来なかった。
本来アメリカも望んでいた艦隊決戦を封じたのは、アノ真珠湾攻
撃だよ。潜水艦の魚雷(当時はフィリピンに集積されていた)も無
く、戦艦の大半が行動不能となれば残るのは空母くらいしかない。
アメリカにとって消去法で導かれたのが空母の積極運用だったのだ。
アメリカを幻想に引き込める可能性は十分にあると思うよ。
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